桜蔭塾 第12回講座報告

東京都健康長寿医療センター理事長 

鳥羽 研二 氏

「フレイル・認知症予防」

​〜100歳時代、人生の後半をどう生き抜くか〜

 第12回講演には、東京都健康長寿医療センター理事長の鳥羽研二先生をお迎えして、「フレイル・認知症予防〜100歳時代、人生の後半をどう生き抜くか〜」と題して長寿時代を生き抜く方法についてご講演いただきました。受講者は、50名でした。

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 「フレイル」とは介護が必要なほどではないものの、身体・認知機能が低下している状態。「要介護の予備軍」とも言われます。具体的には「歩く速度が遅くなる、握力が弱くなる、疲れやすい、活力が出ない、体重が減少する、食が細くなる」という症状のうち、3項目以上当てはまればフレイルと言えるそうです。

 老いの実感というのは感じづらく、だいたいの方は自分の年齢を実年齢×0.7歳くらいと認識していること、しかし着実に老いの症状は現れてくること、一つ症状があれば他の症状も出てくる”フレイルの悪循環”があることなどを、数多くの研究データに基づいて解説していただきました。

 いったんフレイルと判定されても、生活習慣の見直しで改善が期待できます。和食に乳製品をプラスした食生活や、仲間と楽しく行う運動、身体を動かしつつ頭も働かせるデュアルタスクなど、効果的な対策についての提案がありました。

 講演後の質疑応答では多くの質問が寄せられました。体重(BMI)が増えないという方には「ケーキが好きなら夜9時以降食べてみては」、健康診断は毎年受けるべきかという質問には「私の父は医者なのに一度も健診を受けなかった。その人の考え方次第です。ストレスがないことが一番です」等、医学一辺倒ではないざっくばらんな回答にたびたび笑いが起こりました。鳥羽先生の頭脳明晰、誠実なお人柄が伝わってくるとても豊かな時間でした。

 鳥羽先生、桜蔭会会員の長寿を楽しむためのご講演、本当にありがとうございました。

★受講者からの感想★

・高齢になっても運動を継続し、刺激のある生活が必要だと再認識しました。

・元気な高齢者が増えているというお話しにはげまされました。

・脳血管障害が一昔前に比べて減っているというお話に、皆が健康に気を付けて長生きするように なったからこそ「フレイル・認知症予防」なのだなあと腑に落ちました。

・豊かな関りを持ちつつ、その人らしくその人の人生を生きることを応援していただいた気がしました。

 

・多面的に年を重ねることについてご説明いただき勉強になりまた鳥羽先生のお人柄でしょうが、そこかしこにユーモアが感じられて楽しいひとときとなりました。

・ただ歩くだけではダメで、昔を思い出したり会話をしたり、コミュニケーションをとることが大事であるとはとても勉強になりました

 

・楽しく生きる! それが健康の源であると実感しました。また、老いることをきちんと受け入れる姿 勢も大切であると感じました。

 

・これから年齢を重ねるとどうしても衰えることになりますが、健康で自立できる時間を長く過ごせるように、楽しく頑張っていきたいと思いました。

 

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・時々ユーモアを交えてお話しされるところがチャーミングな先生だと思いました。研究データも多用してくださって、エビデンスのあるお話で説得力があり、参加して良かったです。メモをする時間 がなかったので、公開してもよい部分に絞った資料をダウンロードできるようにしていただけたら ありがたかったと思います。

 

・たくさんの表を基にお話しいただいて、医療者としての講義という印象でしたが、質疑応答など ではおおらかなお人柄が窺え、もっとそういう個人的な高齢社会というものの受けとめ方みたい なところも伺いたかったです。

 

・誰にでも訪れる老いに対して正しい知識を持って対峙していくことにより自分にとっても家族にとってもよい時間を過ごせていけるよう心掛けていきたいと思いました。

【桜蔭塾に対する感想・ご要望】

・たいへん充実した企画を次々に実施していただき、ご担当の方々に感謝いたします。これからも楽しみにしております。

・いつも興味深い話題の最新の講義をありがとうございます。家にいながら脳の活性化になって皆さんがますます元気になれますね。

・全国から平等にアクセスできるのは大変画期的な活動だと思います。多くに会員に受講してもらえるように会報を通じてももっと宣伝した方が良いと思います。

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