桜蔭塾 第23回講座報告
第23回講演にはお茶の水女子大学助教授の毛内拡先生をお迎えして「脳と心の健康を守り支える脳のしくみ」をテーマにご講演いただきました。対面・オンラインを合わせて約90名の方にご参加いただきました。
先生が脳科学に興味を持ち始めたきっかけは、重度知的障がい者の方とのふれあいでした。「脳は1つの臓器である」というお考えのもと、脳組織に着目して、豊かな脳の働きをご紹介くださいました。
特に印象に残ったのは、グリア細胞が脳の自浄作用を担っているということです。私たちは、過去の失敗や将来への不安に囚われてしまうことがありますが、グリア細胞がそうしたストレスからの回復を手伝っているのだそうです。
アルツハイマー病やうつ病等のための新薬開発の可能性まで示唆していただき、最先端の知見に触れることができました。
今回の講座では、初めてグループワークを実施しました。「脳が生きているとはどういうことか?」という難しいテーマではありましたが、皆様の関心の高さに驚きました。グループワークを通して、会員皆様の親睦を深めることができましたら幸いです。
毛内先生にはまたぜひ桜蔭塾でご指導くださいますようよろしくお願い申し上げます。
★受講者からの感想★
・脳を臓器と捉え、細胞としてみるというお話が新鮮でした。
・脳死やニューロンなど耳にしますが、漠然としたイメージで自分勝手に理解していたものが、細胞の観点から明確なお話を伺えて大変興味深く感じました。
・人工知能はニューロンと比較して発展させてきたが、それだけでは比べられない脳のいろいろな働き、細胞、循環があり大切な働きをしていることを知り興味深く、驚きでした。 腸と脳の関係も非常に興味があります。
・脳が生きているのは、シナプス伝達系ばかりでなく、グリア細胞が働いているということ。
・アストロサイトがとても重要な働きをしている事を学ばせていただきました。 脳の健康を保てるように心掛けていきたいと思いました。
・脳内の水の流れが大事で、脳内のお掃除を睡眠中にしているということ。寝不足が続いていて脳がごみ屋敷になっているのかと反省。「いつも同じ」が楽でいいと思っていたが、脳の自浄作用をもう少し早めたいので、新奇環境を心がけたいと思いました。
・精神疾患が増えていますが、脳の中で起こっていることやうつ病患者さんは頑張りすぎなこと、頭の良い人はシナプス結合が無駄がなくシンプルなこと、睡眠でレジリエンス力と浄化作用が高まることなどストレスに襲われた時にどういう方向に進めばいいのか、日常生活に生かせそうな内容でした。
・ますます、興味が湧きました。ワクワクするとはどういうことか、、先を考えずに遊べるようになりたいと思いました。
・脳とは何か、賢いって何?を考えるきっかけを下さって先生のご著書を読もうと思った。
・とても柔らかい口調の講演をお聞きすること自体が脳に良い影響があったように感じました。グループワークは事務局のファシリテーターの方などが1名入っていただけるともう少し活発な意見交換ができるのかなと思いました。
・最初はグループ討議がありびっくりしましたが、楽しく講演を伺えました。新しいことに挑戦したり、脳を健康に保ちたいと思います。