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桜蔭塾 第7回講座報告

北方美穂氏「フィンランドが教えてくれたこと」
~すべての子どもが幸せな社会をめざして~

2021年11月28日、桜蔭塾第7回講座に、北方美穂さんをお迎えしました。
 初めて同窓会会員が講師としてきてくださいました。会員の誰でもが講師として立って頂くための口火になるようにと願っての講座でした。全国各地の同窓生から多数申し込みがあり、当日は72名の受講となりました。

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 講演では、北方さんとフィンランドとの出会いに始まり、森と湖の国フィンランドの自然とよくマッチした城や教会、斬新なデザインの駅や美術館など、美しい青空の下のお写真を見せていただき、ちょっとした旅行気分も味わわせて頂きました。
 夏冬の日照時間が大きく違うこと、「妊娠がわかったらネウボラへ」と100%の子供を国が把握する一環となっている社会制度ネウボラ、「ヨーロッパ一不味い」といわれていた食については、今ではすっかりおいしくなっているとか、コーヒーやアイスクリームが好まれていることなど教えて頂きました。
 印象的だったのは、図書館の中の写真。とても居心地がよさそうな空間、分け隔てなくつながっている、それがそのまま社会を現しているように思いました。
 最後に、最年少の女性首相サンナ・マリア氏、平等のためのオンブズマンの一員ピルッコ・マキネン氏、ムーミンの作家トーヴェ・ヤンソン氏など、女性の活躍も話して頂き、我々の励みにもなりました。

 チャットの質問にも適宜答えて頂き、臨場感たっぷりの講演でした。北方美穂さん、本当にありがとうございました。

★受講者からの感想★

フィンランドは遠い国でしたが、お話を聞いて身近になりました。
体験されたことを生き生きとお話しくださり、とても楽しく充実した時間を過ごしました。

・講師ご自身の子育てのお悩みを緒とされ、それと向き合うための学びを始められ、学ぶ中でで出会った人と、情報、さらに、遡って社会人の一歩を踏み出されてから数年間のご経験が発信者としてのスキルとして活かされていて、大変楽しく、わかりやすく、ためになるた内容でした。
さらに、出生率が低下、各家族が当たり前のフィンランド社会で、高齢者への福祉はどうなっているのかも知りたいという思いが湧きました。

・講師の語り口と幅広くゆるい感じ(貶しているのではありません、逆にいい感じ)の様々な生活・文化・教育等のお話が全体として、フィンランドの人々の暮らし方・考え方の概要理解、我を考えてみる良い時間となりました

​・フィンランド、羨ましいことばかりですね。ネウボラ、教育、図書館、インクルーシブ、ジェンダー平等、コーヒーブレイクの権利!地方の小さな町の議員をしているので、何か一つでも、少しでも、取り入れらることがないかという思いで聞きました。いきなり、こんなレベルになったわけではないと思います。どんな経緯でこうした羨ましい国になったのか、知りたいと思いました。

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・この頃フィンランドの話題を目にする機会が増えたように感じます。今回興味が湧きました。また、著名な先生方だけでなく、いろいろなご経験をされた同窓生が講師として登場するのもよいと思いました

・たくさんの写真から空気が伝わってきました。6、7年前に留学中の家族のもとへ行った時、色々な宗派の教会が普通に隣合わせで混在していることに驚き、長い統治の陰で培ってきた強さ、文化芸術の上での国としてのアピール力も感じました。資源も少ないですし。隣国と仲良くしていくのが上手、というお話、と結びつきました。

​・現在、初めての育児中で、子育て支援や環境を整えることに関心があります。男性が育児によく参加することについて、育児に関わると奥さんが優しくなるから、と答えた男性の回答にクスッとなりました(私自身もそうです)。

・日本で、フィンランドの考えを取り入れながら、誰も取りこぼすことなく、100%の親子に目が行き届くようにするにはどうしたら良いだろうと聞いていて考えていました(ネウボラのような保健師さんにはなれないので、医療系の出身でなくともできる支援を考えてみたいです)。この講義をきっかけに、何か私にできることを見つけ、実行したいです

 

・とても遠いですが、教育水準が高くあこがれの国だったので、色々と知ることができて、とてもよかったです。ネウボラも初めて知りました。楽しく紹介してくださって、ありがとうございました。

​・フィンランド社会は、市民型社会のお手本のような印象を持ちました。平等に対する権利意識が高く、歴史的背景もあり国として、その土台(基盤)としての市民一人ひとりの人権に対する真っ直ぐな思いが実現しているモデル国のように感じました。
そして何より豊な自然と過密でない人口がそれを可能にしているようにも思います。日本での東京一極集中の形態の日本ではそれは難しいとも思いました。

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