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桜蔭塾 第17回講座報告

指揮者

松尾 葉子 

​夢の実現を願いつづけて

 第17回講座は、セントラル愛知交響楽団特別客演指揮者の松尾葉子先生をお迎えしました。

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   日本人女性初となるフランスのブザンソン国際指揮者コンクール優勝という快挙を成し遂げられた松尾先生。先生が指揮者を目指されたのはお茶大音楽科3年生の頃だそうで、その後進学された東京藝術大学在学中に多くの現場で指揮経験を積まれた後、単身フランスに渡られました。当時はクレジットカードも無い時代、日本とは何から何まで異なる生活は非常にカルチャーショックが大きかったそうです。「勉強というよりもフランス人の社会そのものを見てきた」というお言葉がとても印象的でした。

 日頃お使いになられている指揮棒のこと、オーケストラ団員とのコミュニケーションといった指揮者ならではのお話のほか、愛知万博での公演、ご趣味の洋裁やテニス観戦についてなど、話題は多岐に渡りました。過去の公演にまつわるハプニングまでお話しくださり、先生の軽妙なトークに会場は大盛り上がり。先生も参加者も笑顔の絶えない1時間半でした。

 そんな松尾先生が指揮をされる上で大切にされているのは、「どこに何があるか配置をよく見る」こと、そして「ニコニコすること」だそうです。先生が指揮者になられた80年代は女性の指揮者が少なく、「なぜ女性が指揮をするの?」といった風潮だったそうですが、そんな風潮を撥ね除け、新時代を切り拓いた先生のお言葉には説得力がありました。「事前にしっかり準備しているので指揮のミスはない」と仰ったお姿も自信に満ち溢れ、とても素敵でした。

 力強いお言葉にたくさんの勇気を頂いたご講演でした。松尾葉子先生、本当にありがとうございました。

★受講者からの感想★

・どのエピソードも面白くて、興味津々でした。指揮者になったきっかけのお話を聞いて、先が読めないから人生は楽しい!と思いました。

・松尾先生のヴァイタリティ溢れるお人柄が、何より印象に残っています。様々な国のオケ人・歌い手さんたちを納得させる、説得力ある音楽を作り上げられるプロセスに、とても興味を持ちました。

・同期で現役でご活躍の様子をお聞きでき、海外留学も積極的なご性格の賜物であることがよく分かりました。益々のご活躍を期待しております。

・著名な指揮者でいらっしゃるのに大変気さくなお話しぶりで、最初から最後まで本当に面白く、あっという間に時間が経ちました。こんなにおもしろい講演は初めてです。ありがとうございました。

・ 松尾先生と同年代なので、白内障手術のお話も興味深かったです。何が見たいかによって、眼内レンズの焦点距離を選ぶべきだとよく聞きますが、45センチ先の楽譜が見たかったとのこと・・・なるほどこういうことなんだなあと納得しました。

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・女性の指揮者として特別視される世の中の情況と、それを経て生き抜いていく柔らかさとよい意味のしたたかさを感じました。

 

・「真面目でこわい」という一般的な指揮者のイメージと真逆の、リラックスして機知に富んだ指揮活動をしていらっしゃるご様子に感心しました。

 

・松尾先生のお人柄ももちろんですが、会場全体がとてもあたたかくフレンドリーな雰囲気で心地よかったです。

・専門的な話ではなく、今までのエピソード、アクシデント思い出の話だったので聞きやすかったです。

とにかく楽しかった!指揮者の世界を垣間見れて、本当に面白かったです。

・大先輩、松尾先生の明るいパワーにたくさんのエネルギーをいただきました! 昔「徹子の部屋?」でお母様お手製の衣装のことをお話なさっていたのは何十年前?と懐かしく思い出しました。

・Zoomを使った講演会に初めて参加しました。録画と違い、講師の方のエネルギーが直接響いてくるように思いました。素晴らしい機会をありがとうございました。

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